top of page

【前橋市】文化財防災について学んできました

私が加入している「群馬県地域文化研究協議会」の研究大会に参加してきました。


テーマは

災害から群馬の文化財を守るには?〜歴史と経験から学ぶ〜


です。




文化財に携わる現場の方々が講師、シンポジウムのパネリストをつとめ貴重なお話を聞くことができました。


東日本大震災、令和元年の豪雨災害、能登半島地震

改めて文化財を守り、未来に継承していくためには、地域に暮らす方々とその価値を共有して、地域住民とともに守り、活かす取り組みが大切なんだと思いました。


文化財というと、極めて行政的な言葉で、なかなか馴染みがない言葉かもしれませんん。

でも古墳やお城、地域や家庭に伝わる様々な財産一つ一つに価値があります。もっと市民の皆さんに文化財を知り、身近に感じてもらうための努力も大切だなと自分自身考えました。


文化財を守ることは行政の力だけでは自ずと限界もあります。

住民、所有者、様々な立場の方々と連携し、ネットワークを作ることも大切です。担い手をしっかり支える取り組みを強化していきたいなと思いました。


ただ一つだけ、

国は、もっと文化に金を出せ!


5月の定例会で、文化財防災について住民への支援と文化財保存活用地域計画について質問したので紹介します。


【質問内容】

文化財の保存と活用について質問します。

(1)はじめは文化財の災害対策についてです。

 2019年4月にパリのノートルダム修道院で火災が発生し、同年10月には那覇市の首里城が火災で焼失しました。能登半島地震では金沢城の石垣が崩落するなどの被害もあり、文化財を未来に継承するための防災、特に日常的に発生リスクのある防火対策は本市でも重要な課題です。

本市は351の指定・登録文化財があります。例えば、苗ヶ島町の金剛寺には12の文化財があり、十一面観音菩薩坐像や本堂の欄間など、いずれも貴重です。本市の文化財は建造物が95に上り、多くは木材建築であり常に火災のリスクに晒されています。仏像や工芸品、美術品のほか刀剣や古文書、また無形文化財の神楽などで伝統的に使用される舞台も同様に防火対策が欠かせません。

文化財の保存にかかる経費の一部補助は本市でも実施していますが、防火設備の設置を抜本的に強化するために、所有者の負担軽減などの支援の充実が必要と考えます。

そこで、火災感知機や消火設備、防火ケースなどの防火設備の設置、普及するための補助金等の制度の周知や、所有者への支援も抜本的に強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

【提言】財政部と連携し、防災機器の設置にかかる補助金活用を積極的に呼びかけるよう求めます。制度の周知は消防局とも連携し、一層の普及への強化を求めます。

 

(2)次に、地域計画の策定についてです。

①本市における人類の活動の歴史は3万年以上に上ります。西は中国大陸、北は北海道やシベリア方面で使用されたものと共通の特徴を持つ旧石器時代の石器が見つかっています。縄文時代以後も、日本列島各地で作られた豊かな文化が交わり、人類の多様な交流の痕跡が市内各地の遺跡で確認されています。

広瀬・朝倉、大室、総社、赤城南麓の古墳群、大胡や嶺、膳城、亀里町の宿阿内城、力丸城などに象徴される戦国時代の城郭。前橋城と関連史跡、本市の大地を潤した天狗岩用水や滝川などの灌漑施設、糸の町に象徴される養蚕、蚕種、製糸の関連資料群、赤城神社に象徴される山岳信仰の資料など、文化財は前橋を歴史的に形作ってきた市民共有の財産です。

旧4町村との合併により極めて多様で豊かな文化を本市は取り込んできましたが、文化財を確実に保存し、未来に継承するためには、担い手の育成、収蔵施設の確保など様々な課題があるもとで、本市には文化財保護に係る指針となる計画がありません。

 いま文化庁は、文化財の保存活用のマスタープランでアクションプランである、文化財保存活用地域計画の策定を推奨しています。本市でも地域計画の策定が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 

【提起】地域計画の準備検討を始めるということです。ぜひ広く市民に向けた講演会なども開き、市民とともに地域計画を策定する観点で準備を進めていただくよう強く求めます。資料の保存と学習研究の拠点となる博物館の設置も検討していただくよう要望します。

 

②現在地域計画の策定を進めている高崎市を訪ねてきました。地域計画の策定は、教育委員会と市長部局の連携で進める事業ですが、策定にあたっての方向性は、文化財保護課の方々が力を発揮しまとめていました。指定、未指定を問わず本市の文化財を把握し、保存・活用の道を開くことも課題となり、そのためにも専門職員の配置も重要と考えます。文化財保護課の人員を増員し、専門人材の育成・配置を強化すべきと考えますが、答弁を求めます。

 

【要望】地域計画の策定は、住民とともに文化財の価値を共有し、文化財の保存と活用に道を開き、まちづくりにもつながるものです。文化財1つ1つの丁寧な保護に努めることで、はじめて住民にとっても魅力あるわかりやすい発信ができるようになります。

文化財に関わる職員体制を抜本的に強化し保存と発信に取り組むことが必要です。計画策定へ一歩踏みだす決断を評価します。文化財保護課の職員の増員で文化財保護行政を一層強化されるよう求めます。

 

【まとめ】最後に、本市の文化財を豊かに発信しているボランティア団体への支援や次世代の担い手育成は待ったなしの課題です。策定を待たず、担い手育成への支援の充実を強く求めて、すべての質問を終わります。

閲覧数:1回0件のコメント

Comments


こそ
コロナ危機を乗り越えるため 暮らしを支える

bottom of page