こんにちは!前橋市議会議員の吉田直弘です。
8日、9日と本会議の総括質問が行われ、21名の議員が質問しました。
私も、議員になって3回目の総括質問でしたが、一つ質問を終えると胃の上あたりが痛くなる思いをします。議会という場所の重みを毎度のことながら実感します。ちなみに写真は6月議会での質問の風景です。私の質問時の議長は、前回と同じく後ろにいる富田副議長だったので、風景は似たようなものかと思います。
共産党前橋市議団は、3名の市議が総括質問を行い新型コロナの中での子どもたちへの学びの補償、デジタル化やスーパーシティの問題点、水道料金値上げ中止や市立図書館本館の中心街への新築移転の問題ついてなど、市民の切実なん要望実現へ質問しました。議員としては3回目の議会でしたが、コロナ禍における様々な知見や要望も持ち寄られ、そのほかにも非常に参考になる答弁もあったと思います。付託外議案への反対討論は長谷川薫市議が行いました。
私は、水道料金の値上げに反対する立場から質問に臨みました。
改正案の内容は、2024年4月から水道料金を平均21.7%引き上げるため、当面来年4月からは17%値上げするというもの。
来年4月から平均17%値上げ、口径20mm、使用水量20㎥の試算で 1年で約5000円もの値上げです。
コロナにおける生活苦、営業の危機に直面する中小業者にとっては深刻な問題です。今は飲食店だけでなく、建設業の方々も材料不足や材料費の高騰のあおりをうけ経営難に直面するリフォーム業者など少なくありません。水道局の側も、給水停止の相談などを通して、市民生活の大変さを一定受け止めている様子が答弁の中からうかがえ、局が直面する課題も明らかにできたのではないかという感想です。
県央水の使用にまだゆとりがある。そのため新たな井戸を作るのに厚労省から許可が出ない。いわば「県央水をもっと使え」と水道広域化を前提にしたような国の対応も明らかになりました。今後、重視していきたいと思います。
当初の平均23%値上げという審議会の答申よりは、値上げ率は下がりました。
条例改正案に反対したのは、なないろ1名、共産党4名でした。(定数38)
コロナの中で多くの生活苦、経営難に直面する人がいる中、値上げの延期や困窮者支援を目指し引き続き追求します。
私は、水道料金の値上げの中止を求めて最初に質問しました。
私は、コロナの中での値上げは少なくとも回避し、延期も含め検討せよという内容での質問でした。そのために重要管路の耐震化などの費用は国が補助をすること、安い自己水(地下水)を積極的に活用することなどを求めました。
大切な答弁は、稲垣公営企業管理者の答弁です。「なんらかの生活困窮者への支援は検討する」という答弁です。前日に市長からも同旨の答弁が他の議員さんにありましたが、公営企業トップからの答弁で方向性は示されたのかなと思います。具体的な支援を早期に示すよう求めます。あと中小業者への減免措置など。こちらも求めていきます。
引き続き値上げの中止・延期を求めていきます。
次に、市立図書館の新築、移転の計画について質問しました。
築47年を経過した市立図書館本館は、移転・新築も必要な状況です。これは長年の課題となってきて、党市議団では旧中央小跡地などが適地と指摘もしてきました。今年の3月に千代田町の中心拠点地区再開発の基本構想が準備組合により決定され、その中には市立図書館本館の中心街移転が構想となっていました。図書館(現在のスズラン新館の位置)と構想にある駐車場の位置(8番街)は離れており、図書館利便性の悪さや足腰の悪い方や障がいを持つ方々への配慮がありません。図書館本館の移転がで本当にいいのか都市計画決定をする前に慎重な検討に検討するよう強く求めました。
そのうえで、新図書館本館の基本構想の策定にいま着手をしていますが、住民参加を強く求めました。基本構想とは、まさにどんな図書館を作るのか方向性を決める重要な論議です。図書館協議会を設置し、市民参加でよい図書館づくりを求めました。次に専門職で常勤の司書の配置を求めました。司書資格を保有する事務職の方が勤め、重要な役割を発揮していますが、他部署への移動もあり得ます。図書館運営の蓄積と承継のためにも専門職としての専任司書の配置を求めました。
ここで重要な当局の答弁は、「雇用期間に定めのないフルタイムの司書を要望する」ということです。
実現すれば一歩前進となるため、予算が付くようしっかり求め図書館の充実へ力を尽くします。
水道の問題も、図書館本館の問題もすべて全住民に係る大変重要な問題です。ひきつづき紹介していきます。
議会の動画が上がり次第、改めて答弁をチェックします。
質問席から聞く答弁は、正確に把握しきれていないこともあるため、改めて正確を期した答弁を紹介します。
詳しい質問原稿は、下記に掲載します。
1 水道料金の値上げ中止について
(1)はじめに、コロナ禍における市民生活の実態の認識について伺います。
水道局は、水道料金平均21.7%の値上げを目指し、来年4月からは当面、平均17%の値上げ案を提出しています。来年度は、口径20mmのご家庭が、ひと月に20㎥使用する場合、1年で約5000円もの値上げになります。
なかなか仕事が見つからず、生活苦に直面する派遣や非正規で働く方々、材料不足で工事ができず、材料費の高騰で経営を圧迫されている中小建設業者。
時短のしわ寄せを受け、売り上げが激減している飲食店の方々から「水道料金の値上げは納得できない」という怒りの声も寄せられています。市民生活の現状をどのように認識されているのでしょうか。
【答弁】水道局長
吉田 9月1日現在の徴収猶予は361件と聞いております。しかも2度目の緊急事態宣言の真っただ中で水道料金の値上げをすること自体、大きな問題です。
(2)次に、自己水の積極的な活用について、伺います。
共産党市議団は、県企業局に対し受水単価や協定水量の引き下げ、コロナ禍における県央水の料金免除などを要望しました。
県央第2水道は1立方メートル当たり100円と高額です。これに対して自己水の給水原価は約44円です。自己水と県央水の受入比率は、自己水が44.3%、県央水が55.7%です。原価の安い自己水の利用を増やせば、市民の負担が軽減できます。県央水の義務水量の軽減、受水単価の引き下げを県に求め、もっと本市の豊富な地下水を積極的に活用すべきです。答弁を求めます。
【答弁】水道局長
吉田 身近な水源から市民のもとに水道水を供給できる井戸水は、長い管路の表流水に比べ、防災や漏水対策にも優れています。水道局の皆さんの努力で守ってきた取水のための井戸が70本利用できるわけです。冷たくておいしい地下水の利用をもっと積極的に進めるべきです。
(3)次に、重要給水施設管路耐震化事業への一般財源繰入れについて質問します。
①この事業は、県庁やグリーンドームなどの防災拠点9カ所、前橋赤十字病院や群大病院など災害拠点病院4カ所を重要給水施設に指定し、これらの施設に通じる基幹管路約13000mを耐震化する、総額約16億円規模の事業です。
本年度は、予算約1億9000万円で前橋赤十字病院など5つの施設へ通じる基幹管路を耐震化する計画です。国が耐震化を進めよといいながら、補助金は一切ありません。災害時に市民の命を守る拠点を支える事業は、国の補助事業とするよう求めるべきです。いかがでしょうか。
【答弁】水道局長
吉田 値上げをしなければ、補助金を出さないというやり方は問題です。県央水の問題も県に強く求めてください。
②災害時に市民に安定的に水を供給することは本市の責任でもあります。市独自の決断で一般会計からの繰り入れをすべきです。地方公営企業法17条の3は、「特別な理由」があるときは一般会計からの繰り入れは可能としています。一般会計からの繰り入れで基幹管路の耐震化を支援すべきです。答弁を求めます。
【答弁】財務部長
吉田 いまコロナ危機です。しかも緊急事態宣言で、市民の暮らしは深刻です。繰り入れできる特別な理由にあたります。市民の生活苦に寄り添い、値上げを回避するためにも繰り入れるべきです。
(4)値上げ中止の決断
そもそも、水道料金の値上げは、全市民に影響を与えるものです。17%の値上げで、来年度は5億円から6億円、再来年度以後は1年間で約9億円もの負担増です。有収水量1立方メートル当たりの給水原価は134円50銭、供給単価は129円97銭で、使用水量1立方メートル当たり4.53円の原価割れの状況です。高額な県央水の単価と受水量をそのままに、水を売れば売るほど赤字になる現状を放置したままの値上げには市民は納得しません。来年4月からの値上げは回避すべきです。答弁を求めます。
【答弁】水道局長
吉田 令和2年度の決算では単年度の損益勘定留保資金などの補填財源は16億円あります。減収分は補填財源を活用し、値上げの回避が困難というのであれば、少なくとも延期をすべきと考えますが、答弁を求めます。
【答弁】公営企業管理者
吉田 生活困窮者への支援はお願いします。合わせて中小業者も対象に。今はコロナ禍です。値上げをすべきではありません。市長部局とも連携し、値上げ回避に取り組むべきです。
2 市立図書館の新築、移転の問題点について
(1)次に、市立図書館の新築、移転の問題点について質問します。
初めに、千代田町中心拠点地区市街地再開発事業の基本構想では、スズラン百貨店の移転、市立図書館本館の中心街への移転が構想の目玉になっています。
図書館本館の移転なしに成立しない構想です。面積約16000平方メートルの教育文化施設の中に、図書館本館が移転するという構想です。
構想では、現在のスズラン百貨店新館の場所ですが、駐車場は8番街の地下に建設される地下駐車場約100台というものです。市民の方々からは、「なぜ中心街に移転するのか。なぜ平面駐車場のあるところにしないのか」という声が寄せられています。
図書館本館は15分館とこども図書館の中心的な機能を担い、市民にとって最も身近な公共施設です。どうして図書館本館の移転が、基本構想に組み込まれたのでしょうか。基本構想で図書館本館の移転を決めた経緯、今後、教育委員会とどのような協議がされるのか質問いたします。
【答弁】都市計画部長
吉田 そもそも、初めに図書館本館の移転ありきで策定された構想です。本来であれば先に図書館と協議して必要な面積や規模が検討されるべきだったのではないでしょうか。図書館の利用は交通アクセスなど利便性が重要ですが、肝心な移転候補地と駐車場も距離が離れています。都市計画決定を急がず、本当に図書館の移転が中心街でいいのか慎重に検討すべきです。
図書館本館の蔵書は、47年前に建築された当時は22万冊の想定でした。
現在の蔵書数は、約34万冊と当時想定された受け入れ能力の150%を超えています。専門家の方からも伺いましたが、「図書館から駐車場の距離が離れており、足腰の悪い方の利用への配慮に欠けている。図書館にとって最も大切な書庫や本棚のスペース確保、学習室や郷土資料室、視聴覚室、市民が情報を収集するためのインターネットスペースの充実も必要だが、必要な面積が確保できるのか」と問題点の指摘を受けました。教育委員会は、中心街への移転が最善とお考えでしょうか。必要な面積などが確保できない場合には、ほかの場所への移転を求めるお考えはあるのか、見解を伺います。
【答弁】教育次長
吉田 老朽化の現実を見ると、移転又は新築は必要と考えます。十分な面積を確保した書庫の充実、利用する市民のアクセスや利便性は決定的に重要です。市民の方々からは、図書館へのアクセスについて最も強い心配の声が寄せられています。高齢の方からは、立体駐車場の利用の負担へ不安の声も寄せられています。当局は、旧中央小跡地を民間に貸そうとしていますが、旧中央小跡地への移転を検討することや現在地での建て替えでもいいのではないでしょうか。
(2)次に、新図書館本館の基本構想の策定について質問します。
図書館は、市民の「知りたい、学びたい」という知る権利を保障し、憲法の生存権の文化的側面である学習権を保障する公共施設です。基本構想の策定は、住民の要望を強く反映させていくことが必要です。図書館法に定められた、図書館協議会の設置が必要と考えます。図書館協議会は、図書館長の諮問機関で、教育委員会にも尊重義務のある付属機関です。2016年より図書館協議会の運営経費に政府は交付税措置をしています。新図書館本館の基本構想は、図書館協議会を設置し、市民参加で策定をすべきと考えますがいかがでしょうか。
【答弁】教育次長
吉田 大阪府の熊取町の熊取図書館では、図書館協議会を通して住民参加の運営を貫き、住民が積極的に図書館の運営に協力し、住民が司書や職員と力を合わせて運営の改善、住民の読書向上の様々な取組をおこなっています。基本構想の策定に着手する今こそ、図書館協議会を設置し、住民参加で、よりよい図書館づくりを進めるよう強く求めます。インターネット上に公表された会議録でも、豊かな議論で住民目線が貫かれた図書館づくりへの視点が貫かれています。
(2)次に、専任司書の確保について質問します。
図書館の基本構想策定にあたっては、司書の方々に力を発揮していただくことが必要です。本市には、図書館本館に11名、こども図書館に1名、合わせて12名の司書が働いています。そのうち常勤職員は3名、会計年度任用職員が9名です。司書資格を持つ事務職の方が図書館で活躍していますが、他の部署へ異動していくこともあります。市立図書館の経験を蓄積、継承できる体制を強化するためにも、常勤で専門職の司書を採用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
【答弁】教育次長
吉田 市民に身近な新図書館の建設、よりよい基本構想を作り上げるためにも、司書の方々に大いにその専門性を発揮していただくためにも、司書の処遇改善をすすめ、専門職司書の常勤採用を進めていただくよう求めて私からの質問を終わります。
【以下は、残り時間が無くなってしまい議会で紹介しきれなかった部分です】
司書の方々は、市民の知る権利や学習権を支える奉仕者として大切な役割を発揮しています。ぜひいま市立図書館で働く方々に、長く働き続けていただけるよう、司書の処遇改善、常勤化を進めていただきますよう強く求めます。司書の業務は、資料の貸出・閲覧、調査、資料の保管や管理のほか、市民が読書に親しむための企画など、図書館の専門家として重要な役割を発揮しています。
市立図書館では、コロナで図書館が休館になったときは、動画配信サイトYouTubeで、絵本の読み聞かせや紙芝居などを配信するなど、市民が本に触れる機会を守るため大変な工夫もされています。
本市における100万冊を超える蔵書は本館で一括管理しています。例えば本館で借りた本は、どこの分館で返却しても大丈夫というシステムは利用者からも好評です。本館、15分館、こども図書館が連携し、適切に管理されていますが、その中心的な役割を果たしているのが司書の方々です。
【以下は図書館司書について感想】
図書館司書、学校司書の方々は、市民の知る権利、学習権に奉仕する図書館のスペシャリスト。常勤採用を当たり前にしていくことが必要だと思います。前回の質問では、アーツ前橋の学芸員の正規雇用、処遇改善を求めましたが、司書、学芸員の処遇改善、正規雇用の強化には引き続き取り組んでまいります。
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