粕川歴史民俗資料館で、秋の企画展が始まったので行ってきました。
「赤井戸式の経緯(ゆくたて)ー赤城山南麓の後期弥生土器ー」です。
この企画展は、来年2月26日までやっています。ぜひお出かけください。常設展の中には人気のぐんまちゃんはにわもありますよ。
赤井戸式土器とは、弥生時代後期から古墳時代の赤城山南麓で多く出てくる土器です。
埼玉県北部で多く出土する弥生時代後半の土器、吉ヶ谷(よしがやつ)式土器と共通する型式の土器です。
弥生時代から古墳時代へと変わりゆく時期、モノの型式の特徴や移動が、過去の人間の活動の何を意味するのかを発見するためにも大変興味深く見られる展示でした。
赤井戸式土器の特徴は、胴部の上半部から口縁部にかけて縄文があることです。
土器の見方の解説も非常にわかりやすかったです。
埼玉北部で多く出土した土器が赤城南麓へ伝播したと考えることも出来ますが、この物が移動する過程でどのように姿を変えていくのかも非常に興味をもって考えることができます。
ぜひ本庄市や熊谷市などの吉ヶ谷式土器もみながら、違いを見つけてみたいと思います。
次に、赤井戸式土器が見つかった住居址などからは、伊勢湾に沿った地域で多く見つかるS字口縁甕なども一緒に見つかっています。
埼玉や東海地方の土器がどうやって赤城南麓に到達したのだろう。
とても興味深く見せていただきました。伊勢崎や桐生、みどり市、西毛で出土した赤井戸式も多数展示されています。愚直なまでの赤井戸式三昧の展示です。こういう企画展示はなかなかないので、たくさん写真を撮って、ぎっしりと脳内に焼き付けるのに時間がかかりました。
ぜひ粕川歴史民俗資料館へお越しください。
関連講座のご案内
12月4日(日) 深澤敦仁先生(群馬県立歴史博物館)
1月15日(日) 柿沼幹夫先生(元埼玉自然の博物館)
2月12日(日) 石川日出志先生(明治大学文学部)
参照
企画展配布資料
嵐山町WEB博物誌
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