現在、総社古墳群の主要な古墳の一つ、蛇穴山古墳の調査が始まりました。
今日は、文化財保護課の担当者の方より、調査について現地で説明を受けてきました。
石室正面のトレンチ
この調査は、総社古墳群の一つ一つの古墳の範囲を確定し、「国史跡総社古墳群」として古墳群を一体として国の史跡として指定を目指しているものです。国の指定を受ければ、国の事業として古墳群の保存や活用への道と可能性も開かれます。
蛇穴山古墳については、国の指定史跡ですが、現在追加指定へ範囲を確認する調査を進めています。
ちなみに、
蛇穴山古墳は、総社古墳群や県内でも最後に営まれた大型の方墳で7世紀後半の古墳です。
墳丘を試掘したところ、きれいに敷き詰められた川原石の葺石の層が発見されました。
当時は何キロも離れていた利根川から、大量の川原石を運んだものと思われます。
ぎっしりと敷き詰められた川原石
当時、すでに仏教も伝わり、埋葬施設や墳墓の小型化が進んでいた時代に、総社古墳群では古墳時代の終末期に至るまで、立派な墳墓が営まれていたということです。
今後、専門の方々による検証も行われます。
どんな構造と規模の古墳であったのかも一層明らかになるものと期待されます。
2021年度は現在調査中の蛇穴山古墳に続き、宝塔山古墳の調査も始まります。
現地説明会を楽しみにお待ちください。
追伸)
以前、この地域に暮らすご高齢の方より「蛇穴山古墳には、昔は蓮池があった」というお話をうかがっていましたが、今日その蓮池の正体がわかりました。かつて、江戸時代ごろより蛇穴山古墳は「蛇穴山弁財天」となり、古墳の周りに弁天池が掘られていたようです。池を掘っていたため堀の破壊はあると思いますが、この地域の人々の信仰を知る上で、これもまた重要な記録ですね。
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