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纏向遺跡に箸墓古墳...ヤマトの始まりの地、桜井市の文化財行政を視察しました

1月12日、奈良県桜井市を視察しました。桜井市埋蔵文化財センターにお邪魔しました。

纏向遺跡の研究、遺跡の保存活用など文化財保護に関する豊かな知見を得ることができました。ぜひ前橋市の文化財行政の更なる充実を図り、前橋市の歴史や豊かな文化財の価値を多くの市民のみなさんと共有できるようにしていきたいと思います。


桜井市は、かつてはシキ、イワレなどといわれ、古代ヤマトの始まりの地と考えられています。弥生時代が終わり古墳時代に移行するころ、巻向の地に広大な大型集落が形成されました。纏向遺跡です。邪馬台国畿内説の有力候補地です。弥生時代から古墳時代へ移行し、古代国家形成に至る過程を検討する上で、桜井の研究は欠かせません。陵墓に指定されているために、最古の前方後円墳とされる箸墓古墳が発掘調査できないのが悔やまれます。


ところで桜井市は人口5万人余りの都市ですが、文化財課の専門職を9人確保し、「纏向学」の調査研究活動、文化財の調査や保存・活用に関わる事業など多様な事業を行っています。「纏向学」研究では、全国の多くの専門家が手弁当で協力し、毎年、研究紀要を発行しています。桜井市が、纏向遺跡の研究の活性化に重要な役割と議論と発信の場を用意しているというのは大変重要だと思いました。

桜井市の文化財行政は「桜井市歴史文化基本構想」を作り、基本構想に基づき市内文化財の保存・活用に関わる戦略を立てています。


基本構想について、桜井市文化財課ホームページの引用ですが

1. 多様な文化財の価値を顕在化させ適切な保存・活用を図る。

2. 本市の貴重な歴史文化遺産に対する市民への理解と地域に対する「誇り」の醸成と将来への継承を図る。

3. 地域や関連する文化財等ごとに特性を把握することによる歴史文化を活かした地域づくりを行う。

基本構想を立てることで、文化財の活用方針も明確になり、桜井市全体の政策にも反映できる資料になります。観光政策やまちづくり施策にも反映できます。


桜井市では纏向遺跡の保存活用計画と山田寺の保存活用計画を策定しています。蘇我入鹿のいとこ蘇我倉山田石川麻呂の建立した山田寺の保存・活用計画は、住民も参加し策定しました。調査研究成果を広く専門家や住民も参加し活発に議論することが文化財行政の価値を発信していくために重要です。


いま桜井市では、ARを活用し、スマホやタブレットで文化財の解説を聞くことができるシステムを整備しています。纏向遺跡の大型建物遺構の場所では、スマホやタブレットをかざすと復元画像が映し出される仕組みを準備していました。復元画像も、専門家の知見に基づいて復元をしています。


ARで立体的に復元画像を見られるようにすることで、子どもたちにとっては学校で配布されたタブレットを活用し、当時の姿に触れることができるようになります。


画像で復元するメリットは、新たな出土遺物により往時の建物のより正確な姿が明らかになった時には、画像の書き換えで説明できるようになるのもメリットです。下手に遺構の上に建物を建てるより合理的だと思いました。


視察の最後に、桜井市埋蔵文化財センターの展示施設をガイドしていただきました。

視察の後、議会事務局や文化財課の方々のご厚意で、纏向遺跡と箸墓古墳を案内していただけました。実際に史跡に触れることで、AR画像の有効性も学べました。前橋市でも、山王廃寺で実施していますが、ぜひ広くARを活用した文化財の解説などを広げていきたいと思いました。


写真は、纏向遺跡の大型建物跡の遺跡です。

次に、箸墓古墳を案内していただきました。箸墓古墳は、雑木林状態になっています。木々の選定や陵墓の手入れは日頃していないため、木の根が張り巡らし墳丘や石室、故人のご遺体を損傷していないかが心配です。


最も纏向遺跡は、本来であれば遺跡全体を一括して「特別史跡」として保存するべき大変重要な遺跡です。共産党奈良県委員会も求めています。


まちづくりや歴史教育を促進する為にも文化財保護行政の強化が重要ですが、国の文化財関連予算は削減される一方です。文化財を国がランク付けし、観光誘致につながるような文化財にのみ予算をつけるような発想は問題です。


この地の研究が進むことは、日本の歴史の始まりを解明する上でも大変重要。国が十分な財政的な支援をしないでいることは大きな問題です。


いま前橋市でも総社古墳群の国史跡指定を目指す範囲確認調査が行われています。そのほか推定上野国府跡の範囲確認調査です。古代東国の解明を進める上で前橋市や群馬県内の文化財施策の強化は欠かせません。ぜひ桜井市の取り組みを前橋でも発信し、文化財行政の強化につなげていきたいと思います。


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