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佐渡金山の世界遺産問題、責任の所在は日本政府にある

佐渡島の金山を世界文化遺産の候補に推薦するという政府の方針に、韓国政府から待ったの声がかかっています。

「また韓国がいちゃもんをつけている」

という具合に韓国政府に対する批判や疑問をマスコミはしきりに報道していますが、問題と責任の所在は日本政府の側にあります。

朝鮮人強制労働の事実を認めることが世界遺産として登録を受けるためにも必要です。

佐渡金山が世界文化遺産に推薦を受ける歴史的な価値はあります。

何が問題かを考えるうえでは、世界遺産について理解する必要もあります。

そもそも世界遺産とは

「人類の知的・精神的連帯に寄与し、平和と人権を尊重する普遍的な精神を作る」とあります。実際に登録への調査や勧告をする国際記念遺跡会議(ICOMOS)は、「より広い社会的、文化的、歴史的、自然的な文脈と背景に関連させなければならない」という原則があります。

要するに、

少なくとも、戦国時代後期に佐渡が徳川領になった慶長6年(1601年)以後に佐渡で金脈が見つかり、江戸時代の金山の最盛期を含め、明治時代以後の朝鮮人強制労働を含む佐渡金山の歴史全体を示すことが必要です。

本日付の赤旗日刊紙には、新潟県史や佐渡の旧相川町が編纂した資料が紹介されていました。同県史や旧相川町の記録にも、朝鮮人を強制的に連行した事実が示されています。

旧相川町の記録では「佐渡鉱山の異常な朝鮮人連行は、戦時産金国策に始まって、敗戦でようやく終わるのである」と書いてあるそう。

これは非常に重要な資料です。

歴史には、必ず現代人の視点から正の側面もあれば、負の側面もあります。

これらすべての事実を否定や無視するのではなく、しっかり伝えていくことこそ「平和と人権を尊重する普遍的な精神をつくる」という世界遺産の精神にかなうのではないでしょうか。

長崎県の端島(軍艦島)が世界遺産に登録をされた際も、日本政府は、戦時の朝鮮人強制労働を含む「犠牲者を記憶にとどめる措置をとる」と国際的な約束をしたにも関わらず、約束を履行していません。

佐渡金山が、その歴史的な価値を未来に発信していくためにも、朝鮮人強制労働の事実を認め、国際的な約束を果たすべきです。長崎県の軍艦島についても、約束の履行を強く求めます。

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